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2007年4月の日記

青少年研修会
 何とかが来ないと、歳が明けたような気がしないと言うように、人には夫々、歳の移り変わりや、季節の変化を感じるものがあります。
 私にとってのそれは、2月8日の禅定林の例祭であり、5月に行われる青少年研修会です。
 日本を始め北方仏教では、4月8日が釈尊生誕、12月8日が成道、そうして2月8日が涅槃の日とされていますが、南方仏教では、5月の満月をヴェーサカの満月と言い、上記三つとも、この満月に発生、仏教徒にとっては、一年中で一番大事な日とされており、随所で法要や式典が行われます。
(諸宗教間の異論調整のためには、多くの会合がもたれるのですが、同じ仏教でありながら、教祖・釈尊の生誕日すら同じ日には行われることはありません。多分このような宗教は他に類を見ないのではないでしょうか)

 禅定林でも5年前から、満月の一週間前から当日まで「青少年研修会」と称して、仏教の講習会を行っています。
 2007年は5月2日がヴェーサカの満月であったために、4月25日から、男子53人女子34人合計87人で研修会が行われました。本来16歳から35歳が年齢制限ですが、大らかなインドにあっては、多少の上限下限は許され、今年は14歳から55歳までの幅広い範囲となりました。

 5年間、青少年と接して、インドにも、純粋に仏教の勉強をしたい人は多々いるが、教える人の微少さを実感し、伝教大師の「人を育てる」という言葉をかみ締めています。
 アンベドカル博士以後の、インド仏教の50年は、多くの場合、僧俗にかかわらず、社会のリーダーと称する人たちが、時には仏教用語を政治に利用し、時には釈尊の名前を私利私欲に使用して来たに過ぎません。習いたい人がいても教える人がいないため、習いたい人の純粋な行為は、いつも何らかの形で、別なことに利用されてきました。私達は、少しでも彼らの純粋な信仰が継続できるよう、研修会を続けたいと考えています。

 下記日程のような、厳しい時間割であり、また宿泊施設がままならず、47度を越す気温の中、扇風機が回っているだけ、それも一日の半分は停電のため涼をとる術が無く、滝のような汗をかきながらも研修生は一言一句逃がさんと精進していました。

〈研修会一日の日課〉
午前 5:00       起床
   5:00〜 6:00 洗面、沐浴等準備
   6:00〜 7:15 座禅止観(禅定林大本堂にて)
   7:15〜 7:50 勤行(禅定林大本堂にて)
   8:00〜 8:50 清掃
   9:00〜 9:50 朝食(PM子供の家食堂にて)
  10:00〜10:50 第1講目講義(PM子供の家講堂にて)
  11:00〜11:50 第2講目講義(PM子供の家講堂にて)
午後12:00〜13:00 昼食(PM子供の家食堂にて)
  13:00〜14:30 休憩、洗濯等私用
  14:30〜14:50 お茶(PM子供の家食堂にて)
  15:00〜15:50 題3講目講義(PM子供の家講堂にて)
  16:00〜16:50 題4講目講義(PM子供の家講堂にて)
  17:00〜17:50 質疑応答
  18:00〜19:15 座禅止観(禅定林大本堂にて)
  19:15〜20:00 勤行(禅定林大本堂にて)
  20:00〜21:00 夕食(PM子供の家食堂にて)
  21:00〜22:00 日記書き
  22:00       就寝    

  
  
2007年4月27日(金)  No.274

アンベドカル博士生誕際
 2007年4月14日は、アンベドカル博士の116回目の生誕日。
 日本仏教にとって聖徳太子が必要不可欠と考えられていると同じように、現代インド仏教にとっても仏教再興の祖としてかけがえの無い方であるとともに、インド共和国にとっても独立後の初代法務大臣を務め、現在もインド共和国が使用している共和国憲法の創造者でもあるために、建国に際し多大な尽力があったことから、建国偉人の一人に数えられ、生誕祭には学校や公共の施設では式典をするようにと行政からの奨励があります(1月26日の共和国記念日=建国記念日および8月15日の独立記念日には式典をするよう強制されます)。
 4月14日の生誕際は、強制なので行うところもあれば、そうでないところもあります。
 ナグプールに関して言うと、4月13日と14日はアンベドカル博士一色という感じです。
 もとマハールという不可触民として虐げられたカーストの人、現在は仏教徒を自任する、PM学園のドングレ園長は自分が今日有るのは博士のお陰と、行政に奨励されるまでもなく当然のように式典を行います。
 去る14日のさきたま小学校の生徒および彼らの保護者を中心に行事が行われました。内容は、花輪をかけ、線香やろうそくを灯し、生徒、先生、関係者が歌を歌い、博士の功績について話がされ、我々も博士の轍を歩もうと結ばれます。
2007年4月22日(日)  No.266

PMYメンバー
 知人の紹介で縁ができ、数年前に半年間ほどPM本部、禅定林、PM子供の家に滞在した有木一宏さん。
 彼が滞在している時にインド洋の津波が発生。南インドも大きな打撃を受け、有木さんの報道家としての血が騒ぎ発生数日後にカメラ一つ、身一つで現場に駆けつけました。

 その有木さんが、カメラの腕前を活かして昨年京都にある建設関係の新聞社に就職しました。
 その新聞に禅定林大本堂の事を掲載したいと言うので、設計士の中村和夫先生、昨年のちょうど今頃暑さが最高のころインドの現場まで足を運んでくださった岡嶋邦夫先生にも事細かにインタービューをし、更に禅定林大本堂建立委員会関係者にもインタビューをしました。
 「建設経済新聞」で5月7日から11日まで予定されている「予算グラフ特集」の中で読み物として掲載されるそうです。
 また彼は、パンニャ・メッタ・ユースの広報部長としてもがんばっています。
写真:村上円竜禅定林大本堂建立委員会委員長(右)にインタビューをする有木一宏さん
2007年4月22日(日)  No.265

施食
  インドでは他人に食事を施すことを大変すばらしいことと考え、また施すことが大きな功徳を積むことになると考えています。特に困っている人への施食は効果抜群と考えられています。
 サンガ住職は常に多忙につき、臍を噛む気持ち で招待を断るのですが、乞われるまま施食に応じれば、3分の2以上の日々は誰かの家で食事ということになります。もちろんこの数は僧侶であるがためのもので あって、皆がそうというわけではありません。

 子供の家にもよく、子供達に施食をしたいと言う人達が来ます。
 ナグプールの知人の娘さんが数年前に19歳の若さで交通事故で他界し、両親は娘のことが忘れられず、命日には自宅で追善法要を行い、4月17日の誕生日には子供の家の子供達に施食をしています。
写真:子供の家の屋上で子供達と施主が共に食事

2007年4月20日(金)  No.264

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